「kybiteシステム」をご存知ですか?

kybiteシステム……あまり聞き慣れないこの手法って何なんだろうと思われた方がほとんどだと思います。
この手法は、補綴学用語録には載っていないので、知らないのが普通です。
しかし、ここ何年かはこのkybiteシステムを支持、あるいは活用されている方が少し増えてきているのではないでしょうか。
また、以前に、この方法にかなり似た手法が130年くらい前の文献に紹介されていることを20年前にミラーテクニックのDr.ビーチが言っています。
「そうか、物理的なことは変わらないわけで、いずれにしてもこのテクニック、その存在は確かなものととらえることが出来る」と。

kybiteとは1

「kybiteシステム」ってどんなもの?

咬合関係の適否を判断したり、あるいはその延長線上で補正・修正をする方法です。
普通のパラフィンワックスを短冊状にカットし、その両面を火炎で熱して折りたたみます。
上記を2つ作り、両臼歯部(上顎あるいは下顎)に乗せ、合わせます。
つまり、高めに採得して、咬合器にマウントして咬合関係を調整する手法です。
着脱可能な義歯でわかりやすく説明すると「落ちる、噛めない、切れない、当たる」等などの不調に対し、咬合関係をリマウントして調整する手法ですが、局部床、有歯顎、咬合 診断にも応用というか、活用できる手法です。

kybiteとは2

セット時間を半分に!

このリマウントテクニックは、ヒンジのデリケートな動き等にあまりこだわることのない手法で、いわゆる一時代前の補綴的手法という見方をされてしまうところがあります。
しかし、私としてはこのリマウントの手法によってヒンジの動きを微細に再現することはしていませんが、ヒンジの位置の再現としてはある種、理想的なものがあるのではないかと思っています。
やわらかい咬合採得材をそっと合わせ、 高めに採得することによって、ベストなヒンジポジションを採得できると考えています。
以前はミツロウなどを使用していました。それを有歯顎に応用していきます。
この手法で、私は多くの患者さんを救ってきたと考えています。
むしろ、セット時間も大幅に短縮され、歯科医師の私自身が救われたということでもあります。
さらに、この手法はいわゆる習得が難しい器具や、難しい理論の延長線上の技術を必要としないところが、実際的であり、実効性を期待できます。
この本当にありがたく感謝してもしきれない方法を、多くの先生方が臨床の場で活用くださることを強く望んでいます。

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